親のスマートフォンを支援するときは、本人の同意を得て、本人が自分で復旧できる状態を残します。

最初に画面ロック、更新、端末検索、復旧手段を確認し、その後にアプリ、通知、遠隔支援の条件を決めます。

冒頭の同意と支援範囲

設定を始める前に、本人へ目的と作業内容を説明し、同意を得ます。

家族が設定を手伝っても、アカウントの所有者や復旧の責任まで家族へ移るわけではありません。

本人が操作できる項目は本人に操作してもらい、家族は画面の場所や確認方法を案内します。

設定前の前提

パスワードと認証コードを預からない

家族であっても、Apple AccountやGoogleアカウントのパスワード、認証コード、バックアップコードを聞き取ったり、一覧で保管したりしません。

入力が必要な場合は、本人が入力し、家族は画面に表示された設定項目だけを確認します。

個人端末と管理端末を分ける

個人端末と、会社や学校が管理する端末では、変更できる設定と相談先が異なります。

管理プロファイル、仕事用プロファイル、端末管理機能は、管理者の許可なく削除しません。

事前設定と発生後対応を分ける

通常の安全設定と、偽警告、アカウント乗っ取り、端末紛失が起きた後の対応は別にします。

偽警告の初動は偽ウイルス警告が表示されたときの対処法、紛失後の対応はスマホ紛失の初期対応で確認します。

優先して確認する設定

画面ロック

端末にパスコード、PIN、パターン、パスワードなどの画面ロックが設定されているかを確認します。

生体認証を使う場合も、再起動や設定変更でパスコードが必要になる条件を本人が把握します。

設定名と場所はiPhoneとAndroid、OSの版で異なるため、端末の公式案内を使います。

OSとアプリの更新

設定アプリでOSの更新を確認し、アプリは公式ストアの更新画面を確認します。

更新中に端末を使えない時間や、再起動の有無を本人へ説明してから実行します。

管理端末は、組織の更新手順がある場合に従います。

端末検索とバックアップ

iPhoneでは「探す」、AndroidではGoogleの端末検索サービスであるFind Hubなど、OS標準の端末検索が有効かを確認します。

別端末やWebから本人がログインできるか、バックアップの保存先と復元方法を確認します。

端末検索は、電源、通信、アカウント、設定などの条件によって使える機能が変わる場合があります。

認証と復旧手段

多要素認証は、パスワードなどの知識要素に加えて、端末や認証アプリなど別の要素を組み合わせる認証方式です。

Apple AccountやGoogleアカウントなど、他のサービスの復旧経路になるアカウントから多要素認証を確認します。

サービスが「2段階認証」と呼ぶ機能はサービス上の呼称です。

二つの手順を求めても、認証要素や復旧条件はサービスごとに異なるため、公式案内で確認します。

認証アプリ、セキュリティキー、バックアップコード、予備の認証手段を、本人が復旧できる方法で保管します。

認証方式の優先順位は、2段階認証を設定するアカウントの優先順位を参照します。

アプリと通知を整理する

アプリの一覧を確認する

ホーム画面と設定のアプリ一覧から、本人が入れた覚えのないアプリ、用途が分からないアプリ、不要なアプリを確認します。

アプリを削除する前に、写真、連絡先、メッセージ、決済、認証に関わるアプリではないかを本人と確認します。

管理端末や仕事用プロファイルのアプリは、管理者へ確認してから変更します。

不審なアプリを削除できない場合は、端末の公式サポートや管理者へ相談します。

権限を確認する

写真、連絡先、位置情報、カメラ、マイクなどの権限を、アプリの用途と照らし合わせて確認します。

不要な権限を見つけても、すぐにアプリ全体を削除するのではなく、本人が使う機能への影響を確認します。

通知を確認する

見覚えのない警告がロック画面に出る場合は、通知元を確認します。

SafariやChromeなどの通知、カレンダー、アプリの通知は、表示場所に応じて個別に見直します。

通知をオフにしても、入力済みの情報や不正な契約が取り消されるわけではありません。

家族で決める三つのルール

画面の指示だけで電話や支払いをしない

「ウイルスに感染した」「今日中に支払う」と表示されても、画面内の電話番号やリンクを使いません。

不安なときは画面を閉じ、本人が家族や公式窓口へ自分から連絡します。

メールやSMSのリンクからログインしない

荷物、請求、アカウント停止、給付などの連絡は、公式アプリや保存済みの公式サイトから確認します。

フィッシングメールの確認方法は、フィッシングメールの見分け方と入力後の対処で確認できます。

アプリと遠隔操作は先に相談する

新しいアプリ、構成プロファイル、画面共有、遠隔操作を求められたら、その場で許可せず家族や公式サポートへ確認します。

相談することは本人の判断を奪うことではなく、相手の案内以外の確認経路を作るためのルールです。

遠隔支援の方法と条件

電話で案内する

本人に設定画面を開いてもらい、画面に表示された項目名を読み上げてもらいます。

家族は本人の画面を見られないため、入力内容や認証コードを聞き取らず、操作の場所だけを案内します。

画面共有を使う

画面共有を使う場合は、利用するサービスの公式案内で、開始操作、終了操作、共有範囲を確認します。

本人が開始と終了を操作でき、共有中に表示される情報を確認できる場合に限って使います。

共有を始める前に、通知、写真、メッセージ、認証コードなどが表示される可能性を説明します。

作業が終わったら共有を終了し、不要な共有設定や参加者が残っていないか確認します。

遠隔操作を使う

遠隔操作は、利用するサービスの公式案内で開始、終了、共有範囲、権限を確認し、本人が目的と相手を確認したうえで開始と終了を操作できる場合に限ります。

サポート担当者を名乗る相手から突然求められた遠隔操作は許可しません。

遠隔操作中もパスワード、認証コード、カード番号を画面に表示したり、口頭で伝えたりしません。

会社や学校の管理端末は、個人の遠隔操作アプリを追加せず、管理者の公式手順を使います。

困ったときの分岐

偽警告やサポート連絡が出た場合

画面内の電話番号へ電話せず、電話や支払いを止めて画面を閉じます。

すでに電話、遠隔操作、入力、支払いをした場合は、サポート詐欺の手口と対処の状態別対応へ進みます。

不審なアプリや通知がある場合

表示元、追加したアプリ、権限、構成プロファイルを確認し、端末の公式案内に沿って削除や設定変更を行います。

管理端末は先に管理者へ連絡します。

端末を紛失した場合

本人の端末検索機能を別端末から開き、ロックや回線、アカウントの対応を進めます。

具体的な初動は、スマホ紛失の初期対応を参照します。

親のスマホ以外を設定する場合

子ども用端末やタブレットは、親のスマホとはアカウント、管理機能、利用ルールが異なります。

子供のタブレットを安全に設定する手順で、親のスマホの支援と分けて確認します。

よくある質問

家族が不在でも復旧できる状態か、いつ確認しますか?

一律の月次や半年ごとに固定するより、OS更新、端末交換、詐欺連絡、課金の変化、本人からの相談をきっかけに確認します。

確認時は、本人がパスワードや認証コードを入力でき、別端末から復旧手段へアクセスできるかを確かめます。

参考資料

執筆と確認

デジタル社会の歩き方 編集部

デジタルの困りごとを、初心者が行動を選べる順序に整理しています。

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