覗き見と端末不在が重なる条件

最初に、次の3点を分けます。

  • 暗証番号やパスコードを見られた可能性があるか
  • 端末が手元にあるか
  • 端末内にメール、認証アプリ、銀行、決済の情報があるか

端末がある場合は、暗証番号を変更し、アカウントと決済の認証状態を確認します。

端末がない場合は、別端末からの遠隔ロックと、通信会社やアカウントの保護へ進みます。不正な決済に気づいている場合は、端末が見つかるのを待たず、銀行や決済会社にも連絡してください。

覗き見が盗難につながる条件

覗き見と盗難が重なると、次の条件が連続する可能性があります。

  1. 第三者が画面ロックの解除情報を見ます。
  2. 端末が盗難や紛失で手元から離れます。
  3. 端末にメール、認証コード、銀行、決済の情報が表示されます。
  4. 各サービスの追加認証や復旧条件が、同じ端末に依存しています。

すべての端末やサービスが同じ状態になるわけではありません。

銀行アプリの生体認証、端末の盗難対策、アカウントの追加認証など、サービスごとの条件で結果が変わります。

覗き見対策と端末不在時の復旧手段は、別に準備します。

端末がない場合は緊急手順へ移る

端末が盗まれた、または見つからない場合は、スマホ紛失の初期対応を先に確認してください。

  • iPhone:別端末でiCloudの「デバイスを探す」を開き、対象端末を「紛失としてマーク」します。この入口へのサインインには確認コードが不要です。事前に「探す」が有効でない端末は紛失としてマークできないため、Apple Accountの保護と通信会社への連絡へ進みます。
  • Android:別端末でFind Hubを開き、対象端末を選んで保護の手順に進みます。事前設定済みのリモートロックを使う場合はリモートロックの入口も利用できます。端末がオフラインなら、ロック要求が反映されるのはオンラインに戻った後です。

盗難が疑われる場合は、地図に位置が出ても自分で取り返しに行かず、警察へ相談します。iPhoneは「探す」の一覧から削除するとアクティベーションロックが解除されるため、慌てて削除しないでください。詳しい分岐は上記の紛失記事とAppleの盗難時の案内を確認します。

端末が戻った後や、事前準備として確認する項目は次の節で確認します。

端末を見つけたという連絡を受けても、パスコード、認証コード、アカウントパスワードを他人へ伝えないでください。

盗難前に設定する項目

端末が手元にあるうちに、次の項目を公式手順で確認します。

  • 推測されにくい画面ロックを設定する
  • 端末のOSとアプリを更新する
  • iPhoneは「探す」と「盗難デバイスの保護」の対応条件を確認する
  • AndroidはFind Hubや端末検索の設定と、対応する盗難対策を確認する
  • 端末のバックアップとアカウント復旧手段を確認する
  • ロック画面に認証コードや通知の内容を表示しない
  • 端末の自動ロック時間を確認する

AppleとGoogleの機能名や利用条件は、端末のOS、地域、アカウントの状態で変わる場合があります。

設定前に、対象端末の公式サポートを確認してください。

iPhoneの盗難デバイスの保護

iOS 17.3以降で利用できます。事前に、画面のパスコード、Face IDまたはTouch ID、Apple Accountの2ファクタ認証、「探す」、位置情報の「利用頻度の高い場所」を有効にする必要があります。

  1. 「設定」から「Face IDとパスコード」(機種によっては「Touch IDとパスコード」)を開きます。
  2. 「盗難デバイスの保護」を開き、オンになっているか確認します。盗難後に手元にない端末へ新たに設定する機能ではありません。
  3. 自宅などでも追加の保護を使いたい場合は、「セキュリティ継続が必要」で「常に」を選びます。普段よく知っている場所だけを除外する設定とは、適用範囲が変わります。

保存したパスワードの利用など一部の操作には生体認証が必要になり、Apple Accountのパスワード変更などには1時間の待機と再認証が必要になります。すべての操作を防ぐ機能ではなく、自分が設定を変更するときにも条件がかかります。設定画面でオンの状態と適用範囲を読み直し、Appleの対象操作と条件を確認してください。

Androidの盗難保護とFind Hub

設定アプリの「Google」から「すべてのサービス」を開き、「ユーザーとデバイスの安全」にある「盗難保護」へ進みます。

  • 「盗難検出ロック」と「オフラインデバイスロック」があれば設定を確認します。盗難検出ロックがグレー表示なら、その端末では対応していません。すべての盗難を検知する機能ではありません。
  • 「IDチェック」があれば対応条件を確認します。信頼できる場所以外での一部の重要操作に生体認証を求める機能です。項目がなければその端末では利用できず、通常の画面ロックだけで同じ保護になるわけではありません。
  • 「リモートロック」は、画面ロック、有効なSIM、確認済みの電話番号、Find Hub、インターネット接続が利用条件です。設定を開いただけで済ませず、番号の確認とオンの状態まで確認します。

一部機能はAndroid 10以降、ほかの一部はAndroid 15以降が対象です。機種差もあり、Android Go、タブレット、ウェアラブルはここで案内した盗難保護の対象外です。Googleの盗難保護の案内で対象を確認してください。

Find Hubは、設定アプリの「セキュリティ」から「Find Hub」を開き、「デバイスの場所の特定を許可」を確認します。項目が見つからない場合はメーカーの案内へ進みます。別端末のFind Hubで対象のスマートフォンが一覧に出るかも確認し、表示の確認だけを目的に消去は実行しません。紛失前の準備手順を参照してください。

会社や学校が管理する端末では、設定を変更する前に管理者の案内を確認します。位置情報の利用や生体認証が必要な機能は、その条件も読んで選んでください。

銀行、決済、通信会社の事前設定

端末のロックとは別に、銀行、決済、通信会社の復旧手段を確認します。

  • 銀行や決済アプリに、端末ロックとは別の認証を設定できるか
  • 端末がない状態で利用停止やログアウトを依頼する窓口が分かるか
  • 通信会社の契約者確認、回線停止、SIM再発行の手順が分かるか
  • SIM PINやeSIMの保護を利用できるか
  • 予備の連絡先や復旧用端末を用意しているか

SIM PINは、対応するSIMカードやeSIMを再起動後などに使うとき、通話やモバイルデータ通信の本人確認を求める設定です。

設定名や手順は端末と通信会社で異なるため、対象端末と契約先の公式案内を確認します。

設定後に再起動やSIMの移動でPIN入力を求められることがありますが、PINを一定回数間違えるとSIMがロックされ、PUKなどの解除情報が必要になる場合があります。

通信不能、SIMロック、PUKの取得条件は通信会社と契約で異なるため、公式手順と解除方法を確認してから変更してください。

iPhoneの入口は「設定」から「モバイル通信」の「SIM PIN」です。複数回線がある場合は対象の番号を先に選びます。初期PINが分からなければ推測で入力せず、契約先へ確認してください。AppleのSIM PINの案内で、ロック時の対処も確認できます。

銀行やカード会社の補償条件、連絡期限、本人確認の方法は各社で異なります。

暗証番号を見られた可能性がある場合の事前変更

端末が手元にあり、暗証番号を見られた可能性がある場合は、できるだけ早く画面ロックを変更します。

iPhoneでパスコードを変更した場合は、古いコードの扱いも確認してください。iOS 17以降では、変更後72時間以内に以前のパスコードを使ってアクセスを回復できる機能があります。見られたコードを残さないため、新しいコードを確実に把握してから、「設定」の「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」にある「今すぐ前のパスコードを無効にする」を選びます。

無効にすると以前のコードでの回復は使えなくなります。新しいコードを忘れた状態で進めず、古いパスコードを無効にする公式手順を確認してください。

同じ数字を銀行、決済、通信会社、アカウントの暗証に使っている場合は、サービスごとに変更してください。

変更後は、次の項目を確認します。

  • 新しい画面ロックで端末を解除できるか
  • 端末検索や盗難対策が無効になっていないか
  • 銀行や決済アプリの認証設定が意図した状態か
  • メール、クラウド、認証アプリに不審なログインがないか
  • 古い暗証番号が通知やメモに残っていないか

暗証番号を見られたことと、端末が侵害されたことは同じではありません。

ただし、端末が後から手元を離れる可能性があるため、変更を先延ばしにしないでください。

認証、回線、決済の連鎖を確認する

端末不在に備えるには、一つの設定だけでなく、復旧経路を順に確認します。

  1. 端末を遠隔で探し、ロックできるか確認します。
  2. メインのメールとAppleやGoogleなどのアカウントへ別端末から入れるか確認します。
  3. SMS、認証アプリ、パスキー、セキュリティキーの予備手段を確認します。
  4. 通信会社、銀行、カード会社の利用停止窓口を確認します。
  5. 端末が盗まれたときに、どの情報を先に止めるかを家族や同居人と共有します。

SMS認証の役割と限界は、SMSによる二要素認証の役割と限界で確認できます。

設定の確認が終わったかを見る

  • 新しい画面ロックで解除でき、iPhoneでは必要に応じて以前のパスコードを無効にした
  • 対応する盗難保護がオンになっていることと、よく知っている場所を含む適用条件を確認した
  • 別端末から端末検索の対象一覧を確認し、スマートフォンを失っても使える認証手段を用意した
  • 通信会社、銀行、決済会社の連絡先を、紛失するスマートフォン以外でも確認できるようにした

これらは事前設定の確認です。端末が戻った場合の不審な変更や利用履歴の確認は別に行います。対応していない機能があれば、画面ロック、検索、復旧手段を確認したうえで、未対応項目を把握しておいてください。

よくある質問

SIM PINを設定すると、端末の盗難対策になりますか?

SIM PINは、対応するSIMカードやeSIMを再起動後などに使うとき、通話やモバイルデータ通信の本人確認を求める設定です。

画面ロックや端末検索の代わりにはならないため、回線停止、遠隔ロック、アカウント復旧の手段と分けて確認します。

端末が戻った後は何を確認しますか?

端末が戻っても、第三者が操作した可能性があれば、画面ロック、アカウントのログイン履歴、メール、認証アプリ、銀行や決済の履歴を確認します。

不審な変更や取引があれば、端末の設定だけで終わらせず、該当するサービスの公式窓口へ連絡します。

予備の認証手段が使えない場合はどうしますか?

SMS、認証アプリ、パスキー、セキュリティキーのどれも使えない場合は、コードやパスワードを推測して入力し続けず、サービスの公式復旧手順へ移ります。

別端末から対象サービスの公式復旧窓口を開き、本人確認と復旧条件を確認します。

参考資料

端末機能、SIM設定、銀行や決済アプリの認証、回線停止の手順は、端末や契約先によって異なります。

盗難前の設定と盗難後の連絡先は、対象端末と契約先の最新の公式案内で確認してください。

執筆と確認

デジタル社会の歩き方 編集部

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