車両の盗難や侵入に気づいた場合は、車を探しに戻ったり犯人を追ったりせず、安全な場所から警察、保険会社、車両メーカーや販売店の公式窓口へ連絡してください。
被害がない場合は、スマートキーの保管、車両の設定、駐車場所、物理ロックを分けて確認します。
リレー攻撃は、車両とスマートキーの通信を中継し、キーが車両の近くにあるように誤認させる手口です。
車種や年式、鍵の方式によって成立条件と設定方法が異なるため、一般論だけで自車の安全性を判断しないでください。
状態別に初動を分ける
被害の有無で行動を分け、被害が疑われる場合は予防策の確認を後回しにします。
被害がない場合
車両があり、侵入や異常の痕跡がない場合は、スマートキーの保管場所、車両の設定、駐車場所、物理ロックを順に確認します。
盗難や侵入を疑う場合
車両がない、移動している、ドアや窓に侵入の跡がある場合は、安全な場所から警察へ連絡します。
車両を探しに戻ったり、犯人を追ったり、車内や車両を不用意に触ったりするわけにはいきません。
スマートキーを紛失した場合
車両メーカーや販売店へキーの無効化、再登録、スペアキーの扱いを確認し、保険会社にも契約上の連絡先を確認します。
警察へ連絡する
車両の場所、最後に確認した時刻、侵入や移動の痕跡を伝え、現場保存や届出の方法を確認します。
保険会社へ連絡する
契約している保険会社へ連絡し、補償の対象、免責、必要書類、車両やキーの確認方法を案内に沿って確認します。
保険の補償、免責、必要書類、連絡期限は契約ごとに異なります。
個別の条件は契約書と保険会社の公式案内で確認してください。
車両メーカーや販売店へ連絡する
スマートキーの無効化、再登録、スペアキーの扱い、車両の追跡機能について、自車の車種と年式に合う手順を確認します。
証拠を保存する
車両、ドア、窓、車内、スマートキー、駐車場所を、触る前に安全な範囲で撮影します。
防犯カメラ、解錠通知、車両の位置情報、目撃情報、連絡日時、担当者名、受付番号を保存します。
警察や保険会社から指示があった場合は、現場や車両を動かす前にその内容を確認します。
「リレー攻撃だった」と原因を先に決めず、確認できた事実を記録します。
リレー攻撃の仕組みと対象範囲
キーレスエントリーは、スマートキーを持って近づくと、車両がキーの存在を確認して解錠や始動を許可する仕組みです。
リレー攻撃では、攻撃者が車両とスマートキーの間で通信を中継し、実際の距離より近いように車両へ伝えようとします。
成立するかどうかは、車両とキーの認証方式、距離判定、通信方式、車両の設定に依存します。
キーレスエントリー車がすべて同じ方式で動作するわけではなく、スマートキーを持っているだけで被害が起きると断定することもできません。
スマートキーを保管する
スマートキーを車両に近い玄関、窓際、外壁側に置くと、車両との通信を中継される距離条件が変わる可能性があります。
帰宅後は、車両から離れた場所で保管し、家の外から見える位置を避けます。
電波遮断ケースを使う場合は、スマートキーを入れた状態で車両が解錠されないかを、周囲の安全を確認してテストします。
製品の遮断性能は、キーの方式、周波数、ケースの状態、使用方法で変わります。
ケースの縫い目、開口部、摩耗を確認し、定期的に再テストします。
金属缶や冷蔵庫などの代用品は、キーの材質や置き方によって遮断できない場合があります。
代用品の効果を一般化せず、専用品と公式仕様を確認してください。
車両側のキーレス設定を確認する
車種によっては、スマートキーの通信を一時的に止める機能、キーレスエントリーを無効にする機能、解錠方式を変更する機能があります。
トヨタは、車種によってスマートキーの「節電モード」を設定できると案内しています。
自車でも同じ機能や操作が使えるとは限らないため、車種と年式に対応する取扱説明書を確認してください。
設定方法は、スマートキー本体、車載メニュー、販売店で異なります。
取扱説明書やメーカー公式サポートで、自車の車台番号や年式に合う方法を確認します。
設定を変更した後は、物理キーでの解錠、エンジン始動、警報、スペアキーの動作を確認します。
説明書にない組み合わせ操作や、電池を外すだけの方法は、自車の公式案内で確認できない限り実行しないでください。
キーレス機能を止めると利便性や一部の機能が変わる場合があります。
物理ロックを選ぶ
電波対策だけでは、窓の破壊、鍵穴への攻撃、車両の持ち去りなど別の手口を扱えません。
ステアリングロック、タイヤロック、ペダルロックなどの物理ロックは、解錠後の移動を難しくするための対策です。
物理ロックの効果は、製品の構造、車両の形状、工具、取り付け方法に左右されます。
物理ロックの選定では、車両への適合、取り付け位置、毎回の着脱、工具への耐性、保管方法を確認します。
駐車場所を確認する
駐車場所を選ぶときは、施錠設備、照明、防犯カメラの位置、出入口、長時間不在になる条件を確認します。
施錠された車庫や管理された駐車場は、車両への接近や視認を減らせる場合があります。
防犯カメラや照明は記録や抑止に役立つ場合がありますが、盗難を止める機能や回収を保証する機能ではありません。
車両の位置情報サービスを使う場合は、追跡の条件、通信、電源、契約、警察への情報提供方法を公式情報で確認します。
車種別の対策を確認する
購入や設定変更の前に、次の項目を車両メーカーまたは販売店へ確認してください。
- スマートキーの通信を停止する方法
- キーレスエントリーとエンジン始動の認証方式
- スペアキーを含むキーの登録、無効化、再登録方法
- 物理キーで解錠した場合の警報や始動条件
- 盗難時の車両追跡、販売店、ロードサービスの連絡先
- 保険契約で求められるキー管理や必要書類
メーカーの案内が車種、年式、地域で分かれる場合は、自車に合う資料を使います。
対策の役割を比較する
| 対策 | 主な対象 | 限界 |
|---|---|---|
| 電波遮断ケース | スマートキーの通信を中継される経路 | 物理侵入、ケースの入れ忘れ、遮断不良 |
| スマートキーの保管場所変更 | 車両とキーの距離を取ること | 住宅の構造、キーの持ち出し、別の盗難手口 |
| キーレス機能の停止 | 車両側の近接解錠 | 車種差、利便性低下、設定漏れ |
| ステアリングロックなど | 解錠後の走行 | 工具による破壊、装着忘れ |
| 施錠された車庫や管理駐車場 | 車両への接近と視認 | 施設の施錠、共用部、侵入手口 |
| 防犯カメラや位置情報 | 記録、発見、連絡の補助 | 盗難の停止や回収を保証しない |
電波対策と物理対策は、同じ問題を解くものではありません。
自車の方式と駐車環境に合わせ、実行を続けられる組み合わせを選びます。
よくある質問
電波遮断ケースだけで車両を守れますか
電波遮断ケースだけで車両全体を守れるとは判断できません。
ケースの遮断性能を確認したうえで、車両側の設定、物理ロック、駐車場所も自車の方式に合わせて選びます。
参考資料
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