不正ログインに気づいたら、復旧操作の前に現在の状態と証拠を確認し、ログイン可否と被害の種類に応じて公式窓口へ進みます。

不正ログイン後の状態別初動

不正ログインに気づいたら、ログインできるか、復旧先が変わっているか、金銭の異常があるかを分けて確認します。

不正送金やカード利用が進行中なら、証拠の整理より先に金融機関やカード会社の公式窓口へ連絡して停止を依頼します。

それ以外の場合は、復旧操作で通知や履歴が変わる前に、可能な範囲で画面と通知を保存します。

  • まだログインできる:復旧用メールアドレスと電話番号を確認し、パスワード変更、セッション確認、認証強化へ進みます。
  • ログインできない:メッセージのリンクを使わず、サービスの公式サイトからアカウント復旧を開始します。
  • 復旧用メールアドレスや電話番号を変更された:パスワード変更だけで終わらせず、サービスの公式復旧窓口へ連絡します。
  • メールアカウントが対象:他のサービスの復旧先に設定している可能性があるため、メールアカウントの復旧と転送設定の確認を優先します。
  • 銀行、カード、決済の異常がある:アカウント復旧とは別に、金融機関、カード会社、決済事業者の公式窓口へ連絡します。

入力したパスワードが原因と考えられる場合でも、原因を一つに決めつけず、ログイン履歴、設定変更、連携アプリ、決済履歴を確認します。

ログインできる場合の確認

ログインできる場合は、復旧用情報が自分のものかを確認してから、アカウントの操作権を取り戻します。

復旧用情報を確認する

登録されたメールアドレス、電話番号、認証アプリ、信頼できる端末を確認します。

覚えのない情報が登録されている場合は、サービスの公式復旧手順を優先します。

復旧先が自分のものなら、新しいパスワードを設定します。

パスワードを変更する

新しいパスワードは、他のサービスで使っていないものにします。

入力したパスワードが漏れた可能性がある場合は、同じパスワードを使っていたサービスも一覧にします。

サービスが指定する条件を満たす、推測されにくいパスワードを使ってください。

ログイン中の端末とセッションを確認する

ログイン履歴や「お使いのデバイス」などの画面で、日時、場所、端末を確認します。

心当たりのない端末は、サービスに用意されたサインアウトやセッション終了の機能で切断します。

表示された場所だけで不正と断定できない場合もありますが、判断できないセッションは切断してからパスワードを変更します。

認証を強化する

多要素認証に対応している場合は、サービスの案内に従って有効にします。

認証アプリ、セキュリティキー、SMSなど、使える方式はサービスごとに異なります。

設定後は、復旧コードや予備の認証手段を、他人に見られない場所へ保存します。

身に覚えのない認証コードの通知が届いても、コードを相手に伝えたり、承認ボタンを押したりしないでください。

ログインできない場合の公式復旧

ログインできない場合は、検索広告や受信メッセージからサポートを探さず、サービスの公式ドメインを自分で開きます。

Googleアカウント

Googleの「ハッキングまたは不正使用されたGoogleアカウントを保護する」から、ログインできない場合のアカウント復元と不審なアクティビティの確認を行います。

Googleアカウントの復旧用電話番号やパスワードが変更されている場合も、公式のアカウント復元ページを使います。

復旧後は、セキュリティイベント、登録端末、第三者アプリのアクセスを確認します。

Apple Account

Appleの「Apple Accountの不正利用が疑われる場合」から、パスワード、個人情報、登録端末を確認します。

パスワードを変更できない場合は、同じ公式案内からリセット方法を確認します。

Apple Accountに覚えのないデバイスや購入履歴がある場合は、アカウント復旧と購入に関する確認を分けて進めます。

その他のサービス

SNS、通販、動画配信、ゲームなどは、各サービスの公式ヘルプにある「アカウント復旧」や「不正利用」の窓口を使います。

サービス名を名乗る個人アカウントや、検索結果の広告に表示された電話番号へ相談しないでください。

連携アプリと外部サービスを解除する

ログインできる状態へ戻した後は、見覚えのない連携アプリや外部サービスを公式画面から確認します。

見覚えのない連携アプリ、メール転送、ログイン方法、APIキーなどがあれば、サービスの公式画面から無効化または削除します。

連携先のサービスも別のアカウントとして扱い、ログイン履歴、復旧先、支払い情報、同じパスワードの使用を確認します。

連携解除だけで外部サービス側のセッションや保存データが消えるとは限らないため、連携先の公式設定とサポートも確認します。

復旧用メールと電話番号を保護する

復旧用メールアドレスや電話番号が攻撃者の管理下にあると、パスワードを変更しても再設定を試みられる場合があります。

メールアカウントを優先する

メールアカウントが対象なら、メールのパスワード、転送設定、ログイン中の端末、復旧用情報を確認します。

受信トレイや送信済みメールに、サービスから届いた復旧通知を削除した形跡がないかも確認します。

メールアカウントへログインできない場合は、メールサービスの公式復旧手順を使います。

電話番号やSIMの状態を確認する

電話番号が使えない、SIMの再発行通知が届いた、認証コードが突然届かなくなった場合は、携帯電話会社の公式窓口へ相談します。

SMS認証だけに頼っていたアカウントは、復旧後に利用できる別の認証方式を確認します。

銀行、カード、決済への連絡

金融や決済の異常は、一般アカウントの復旧とは別の窓口で扱います。

銀行やネットバンキング

身に覚えのないログイン、振込、出金、登録情報の変更がある場合は、金融機関の公式窓口へ連絡します。

金融機関の公式アプリ、公式サイト、通帳やキャッシュカードに記載された連絡先を使います。

不審な取引の日時、金額、取引先、画面表示を記録し、利用停止や取引調査が必要かを確認します。

カードや決済サービス

カード利用、電子マネー、決済アプリに覚えのない取引がある場合は、各事業者の公式窓口へ連絡します。

カード番号の入力や不正利用が中心なら、クレジットカードスキミングの実態と対策も確認します。

アカウントのパスワード変更だけで、カード会社の利用停止や返金手続きが完了するわけではありません。

決済前の異常

注文、ギフトカード購入、送金などが確定していない場合でも、履歴と注文状態を保存して事業者へ相談します。

取消しや返金の条件は事業者と決済方法によって異なるため、結果を保証する表現は使えません。

使い回しの解消と認証強化

一つのサービスで使っていたパスワードが漏れると、同じメールアドレスと組み合わせて他のサービスへのログインを試されることがあります。

この攻撃は、同じ認証情報を複数のサービスで使うと成立しやすくなります。

多要素認証(MFA)は、知識、所持、生体など異なる認証要素を二つ以上組み合わせる方式です。

2段階認証は、認証を二段階に分けるサービス上の呼称です。

2段階という表示だけでは異なる要素の組合せか確認できないため、利用するサービスの公式仕様で方式を確認します。

使い回しの解消は、パスワード使い回しの危険性と対策の確認項目に沿って進めます。

変更するサービスは、メール、金融、決済、仕事用、SNS、通販の順に、被害の影響と復旧経路を見て決めます。

多要素認証の方式と優先順位は、2段階認証を設定するアカウントの優先順位で確認します。

認証を強化しても、偽サイトでパスワードと認証コードを同時に入力した場合や、端末自体が不正利用されている場合は、別の対応が必要です。

フィッシングが入力の原因なら、フィッシングメールの見分け方と入力後の対処も確認してください。

証拠保存と相談先を選ぶ

復旧操作の前後で、通知、メール、ログイン履歴、設定変更、注文履歴を可能な範囲で保存します。

保存する項目は次のとおりです。

  • 不正ログイン通知の本文、送信日時、表示された端末や場所。
  • パスワード、復旧先、連携アプリ、プロフィールなどの変更内容。
  • 身に覚えのない注文、送金、決済の日時、金額、取引番号。
  • 受信したメッセージ、アクセスしたURL、入力した情報の種類。

証拠を保存するために、偽サイトのリンクを再度開く必要はありません。

保存した画像やメールは、第三者へ転送せず、サービスや金融機関へ提出するまで安全な場所に保管します。

相談先を分ける

アカウントの復旧は、対象サービスの公式復旧窓口へ連絡します。

身に覚えのない振込、出金、カード利用、決済がある場合は、銀行、カード会社、決済事業者の公式窓口へ連絡します。

犯罪被害や不正送金を警察へ相談する場合は、警察庁が案内する警察相談専用電話「#9110」または都道府県警察の窓口を利用します。

消費者トラブルや請求先が分からない場合は、消費者ホットライン「188」へ相談します。

不正アクセスやウイルスの届出を検討する場合は、IPAの届出案内で対象を確認します。

相談時には、サービス、銀行、カード会社へ連絡した日時と回答も記録します。

よくある質問

ログイン履歴の場所が自分の行動と合いません。

VPN、携帯回線、会社や学校のネットワークによって、表示される場所が実際の場所と異なる場合があります。

日時、端末、操作内容を合わせて確認し、判断できないセッションは切断してパスワードを変更します。

多要素認証を設定していたのに不正ログインされることはありますか?

あります。

偽サイトでパスワードと認証コードを同時に入力した場合、SIMや電話番号が不正利用された場合、端末に不正なソフトがある場合などは、多要素認証だけで被害を止められないことがあります。

銀行やカード会社へ連絡するのはどの段階ですか?

身に覚えのないログイン、取引、登録情報の変更がある場合は、アカウントの復旧操作と並行して連絡します。

連絡先はメッセージや検索広告ではなく、金融機関やカード発行会社の公式窓口を使います。

参考資料

執筆と確認

デジタル社会の歩き方 編集部

デジタルの困りごとを、初心者が行動を選べる順序に整理しています。

最終更新日: